あやかし戦記 ネバーランドの子どもたち
イヅナがテーブルに行くと、ヴィンセントとレオナードは早速スイーツを食べていた。そして「おいしいね」と言い合っている。

「イヅナ、これすんごくうまい!」

「こっちもおいしいよ」

レオナードがフルーツタルトを頬張りながら言い、ヴィンセントが一口どうぞとフィナンシェをくれた。

「んっ!どっちもおいしいわね」

イヅナがニコニコと笑いながらスイーツを口に運び、楽しい雰囲気が漂う。しかしそれはヴィンセントの一言で一瞬にして崩れた。

「……イヅナ、何かあった?」

ニコニコ笑ってスイーツを食べる時って、何か嫌なこととか不安なことがある時だよね。ジッとヴィンセントに見つめられ、イヅナの笑顔が引き攣る。

「さすがに急に「スイーツビュッフェ行こう」って言われたら俺だってわかるぜ。幼なじみだからな!」

レオナードも真剣な顔になり、何があったのかを訊ねる。イヅナは話すべきか迷ったものの、ゆっくりと口を開いて農園に潜入することを話した。
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