あやかし戦記 ネバーランドの子どもたち

今日の朝ご飯のメニューは、チョコレートのかかった甘いドーナツ三つと山盛りのフライドポテトという朝から重い内容である。

「……新鮮なサラダやフルーツが食べたいわ」

イヅナはため息をつき、ドーナツを一口食べる。ここに来てから、食事はクレープやカレー、ポテトチップスにショートケーキなど栄養バランスを全く考えられていないものばかりだ。

「甘いものは好きだけど、ビタミンを取らないと肌が荒れちゃう……」

おまけに運動する時間がないため、出される食事を完食し続けていたらあっという間に太ってしまうだろう。そう思うとイヅナの食欲はなくなっていく。

朝ご飯の時間が終われば、昼ご飯がやってくるまで檻の中でずっと過ごさなくてはならない。だが、その日は牢のドアが開き、ツヤがイヅナの檻の鍵を開けた。

「出ろ」

ツヤに腕を掴まれ、実験室まで連れて行かれる。実験室のドアが閉まれば、ツヤが農園の職員からアレス騎士団へと戻る合図だ。