あやかし戦記 ネバーランドの子どもたち

「実は、この農園に捕らえられている食用児を助けようと動いてくれている人たちがいるの。その人たちは妖と戦える。だから、その人たちに全てを任せてほしいの。……これが私の答えです」

檻の周りが一気に静かになる。そして数十秒後、口を開いたのはずっと俯いていたカレンだった。

「……この農園から助けてくれる人なんて、いるわけないじゃない！もういいわ！」

三人は怒りを宿した目でイヅナを睨み付け、暗闇の中へ消えていく。イヅナはその場に座り込み、「ダメだったわ」と呟いた。



それから三日が経った。カレンたちはイヅナが笛を鳴らしても檻の前に現れることはなく、ただ時間だけが過ぎていく。

そんな中、イヅナはツヤに実験室に連れて来られた。そこでお茶を飲みながら、カレンたちとのことを話す。

「ダメだったんだな。それで、問題はいつそのガキ共が脱獄を決行するかだな」

「すみません……。もっと早く知らせたかったんですが、式神なんて放ったらアレス騎士団のことがバレてしまいますし」