あやかし戦記　ネバーランドの子どもたち
「へえ、うまく抵抗できてるみたいだな。一体も倒せていなさそうだが」

ツヤがカレンたちを褒めていると、「その格好は何だ、カヤ。そして管理No.663」と背後から低い声が聞こえる。振り向けば、巨大な剣をゴブリンが突き付けていた。さらに前方からもゴブリンたちが武器を手に走ってくる。

「正体を明かした方がいいですか？」

薙刀を構え、そして片手を懐の中に入れながらイヅナが訊ねると、ツヤが「時間の無駄だ」と一蹴する。そして次の瞬間には、ツヤに剣を突き付けていたゴブリンはツヤに吹き飛ばされ、壁に体を強打していた。

「こいつ、裏切り者か！！」

他のゴブリンたちが警戒し、イヅナとツヤを捕らえようとする。だが、彼らが動く前にイヅナはギルベルトの作った球を投げ付けていた。

「う、動けん！！」

「離せ！！」

拘束され、もがくゴブリンたちにイヅナは「ごめんなさい」と謝り、ツヤと共に廊下を走る。

脱走が発生しているため、廊下には大勢のゴブリンたちがいる。出会うゴブリンたち全てを制圧しながら二人は進んだ。
< 40 / 45 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop