籠の中の鳥は今宵も熱い寵愛を受ける【完結】
この年になって恋愛に振り回されるなど思ってもいなかった。
振り回されるという言い方だと語弊があるかもしれないが、実際に私は和穂さんに振り回されている。
彼の“私を好いている”という発言が本当かどうかはさておき、既に告白されたこの状況で夫婦生活をし、一緒の会社で働くという何とも気の置けない日々が続くのだろう。
それに…―。
「どうかした?」
「近いです、とっても」
「夫婦になるんだから別に問題はない」
「…」
「寝室を一緒にするのもいいかもしれない」
「それは断固反対させていただきます!!」
「じゃあ何をしてほしい?」
「と言いますと?」
「君と結婚するために努力したいんだけど何かしてほしいことは?」
「何もないです…」
「だったら俺の好きなようにさせてもらう」
彼は以前よりも強引になったと思う。もちろん嫌だということはしないのだろうが嫌だといわせない雰囲気や状況を作るのが上手だ。流石、大企業の専務、副社長を兼任しているだけある。
ソファで二人っきりという状況はまずアウトだ。
彼の思惑通りになる。
逃げようと立ち上がる頃には私の体は完全に彼に掴まっている。
振り回されるという言い方だと語弊があるかもしれないが、実際に私は和穂さんに振り回されている。
彼の“私を好いている”という発言が本当かどうかはさておき、既に告白されたこの状況で夫婦生活をし、一緒の会社で働くという何とも気の置けない日々が続くのだろう。
それに…―。
「どうかした?」
「近いです、とっても」
「夫婦になるんだから別に問題はない」
「…」
「寝室を一緒にするのもいいかもしれない」
「それは断固反対させていただきます!!」
「じゃあ何をしてほしい?」
「と言いますと?」
「君と結婚するために努力したいんだけど何かしてほしいことは?」
「何もないです…」
「だったら俺の好きなようにさせてもらう」
彼は以前よりも強引になったと思う。もちろん嫌だということはしないのだろうが嫌だといわせない雰囲気や状況を作るのが上手だ。流石、大企業の専務、副社長を兼任しているだけある。
ソファで二人っきりという状況はまずアウトだ。
彼の思惑通りになる。
逃げようと立ち上がる頃には私の体は完全に彼に掴まっている。