籠の中の鳥は今宵も熱い寵愛を受ける【完結】
「すぐに逃げようとする」
「してません!」
「じゃあ抵抗はやめて身を委ねるのが賢明だよ」
クラクラするほどの甘美な声に私の体は従順だ。そういえばまだ一度しかしていなかった。
「あぁ、そうだ。どうやら社内で君の噂が流れているようだけど知ってた?」
「知り、ません」
たどたどしい口調は彼の手が既に私のボタンにかけられているからだ。
一つ一つゆっくりと、丁寧に外すのはその過程の私の反応を見たいからだろう。
やはりドSなのだろう。
負けじと目線を横にずらして唇を真一文字に結ぶ。
「どうやら君は秘書課の誰かと結婚するということらしい」
「え?」
「その顔は本当に知らなかったようだね。多分土浦のことだろう。どうしてか俺じゃなくて土浦になっているのが気に入らない」
「…あ、」
脱がされたパジャマが肩からずれ落ちブラが丸見えだ。
肌着を中に着ておこうと思っていたのに、つい家の中だと油断してしまう。
慌てて胸を隠そうとするがそれよりも先に彼が首筋にかみついてくる。
チクリ、痛みが走るがすぐに快感へ変化する。