籠の中の鳥は今宵も熱い寵愛を受ける【完結】
「ようやく俺に惚れてくれたってことだよね」
「はい」
「今まで欲しいものは何でも手に入れてきた。でも一番欲しかったんだ、君のことが」
「…そう言ってもらえてうれしいのですが…そこまで価値はないかと」
自分を卑下しているわけではないが、和穂さんほどの男性に見合う女性だとは思っていない。なのに彼は対等であるかのように言う。
ふっと小さく息を漏らすと彼は言った。
「それを決めるのは俺だよ、君じゃない」
「…」
「せっかくのホテル宿泊でかつはすみから告白されて。それなのにはすみはもう眠そうだ。」
「え!眠くないですよ」
「俺が戻ってきたときにうたた寝していただろ」
名残惜しそうに私に再度キスを落とし、お風呂に入ろうといった。
どうやら私の体調を優先してくれるようだ。
彼の言葉に甘えて私はこの日はお風呂に入ってすぐに眠った。