籠の中の鳥は今宵も熱い寵愛を受ける【完結】

「そういえば、最近何か考え事しているようだけど何か悩みでも?」
「あ…いえ、何もないです」


 はすみにだっていろいろな悩みがあるだろう。それは仕事だったりプライベートだったり様々だ。

しかし家庭と仕事については俺が関わっているのだから何でも相談してほしいと思った。

無理に聞き出すのも違うが、何でも相談できる相手が俺であればと思うのは自然なことだろう。

「本当に?」
「…はい」
「例えば、俺のことが好きじゃなくなったとか?」
「そんなことないです!!大好きです」
「…」
「…」


 はすみは勢いよくそう言って即座に両手で手を抑えた。顔が紅潮している。

そういうのは“煽っている”というのだ。

「ふぅん、そっか。じゃあ今日は抱かせてくれる?」
「ええ?!」
「だってはすみが悪い。煽ったんだから。それに大好きなんだろ?」
「…」


潤んだ目が上目遣いで俺を映す。顔を傾け軽くキスをすると、彼女の体を持ちあげて俺の部屋に連れていく。このくらい強引にしなければ彼女をなかなか抱けないというのが悩みの一つだろうか。

ベッドに彼女をそっと下ろし、跨る。
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