籠の中の鳥は今宵も熱い寵愛を受ける【完結】
「二度目の縁談話ではありますが顔合わせは初めてですね」
「本当にあの時は申し訳ありませんでした…」
畳の匂いが鼻を掠めるほどに畳の上に手をつき頭を下げた。
両親も同様に謝罪をした。しかし常盤家は皆、顔を上げてくださいと言って笑った。
「いいんですよ。そもそも仮に怒っていたら今日来ておりません」
「そうですよ。しかも今回の見合い話は私の希望です。出来ればこの場を借りて正式にはすみさんと結婚を進めたいと思っています」
「それはもちろんです。はすみも今回はこの結婚を望んでおりますので」
「それはよかった。佐伯家とは昔より付き合いがありましたから。今後もよろしくお願いします」
この日、一時間程度の顔合わせは終了した。意外にもあっさりと終わった。
お互いの両親は既に私たちが一緒に住んでいることも、そもそもロンドンでたまたま出会っていたことも知らない。今月中に一緒に住むという事と(既に住んではいるが)、婚姻届けの提出をいつにするのかという話をして終わった。
この日は久しぶりということもあり、マンションには帰宅せずに実家に泊まった。
両親の勝ち誇った顔にムカッとすることも多々あったが、結局親の決めた相手と結婚することを決めたのは自分だ。
それに、相手が和穂さんで良かったと心底思っている自分もいた。
「本当にあの時は申し訳ありませんでした…」
畳の匂いが鼻を掠めるほどに畳の上に手をつき頭を下げた。
両親も同様に謝罪をした。しかし常盤家は皆、顔を上げてくださいと言って笑った。
「いいんですよ。そもそも仮に怒っていたら今日来ておりません」
「そうですよ。しかも今回の見合い話は私の希望です。出来ればこの場を借りて正式にはすみさんと結婚を進めたいと思っています」
「それはもちろんです。はすみも今回はこの結婚を望んでおりますので」
「それはよかった。佐伯家とは昔より付き合いがありましたから。今後もよろしくお願いします」
この日、一時間程度の顔合わせは終了した。意外にもあっさりと終わった。
お互いの両親は既に私たちが一緒に住んでいることも、そもそもロンドンでたまたま出会っていたことも知らない。今月中に一緒に住むという事と(既に住んではいるが)、婚姻届けの提出をいつにするのかという話をして終わった。
この日は久しぶりということもあり、マンションには帰宅せずに実家に泊まった。
両親の勝ち誇った顔にムカッとすることも多々あったが、結局親の決めた相手と結婚することを決めたのは自分だ。
それに、相手が和穂さんで良かったと心底思っている自分もいた。