籠の中の鳥は今宵も熱い寵愛を受ける【完結】
♢♢♢
マンションに戻るとすぐに和穂さんにお礼を伝えた。
「和穂さん、ありがとうございました。もっと怒られると思っていたのですが」
「あぁ、いいんだよ、それにこれは君の両親にも伝えたけど俺が進めたかった見合い話なんだ」
「…え?」
ソファに座りながらコーヒーカップに手を掛けている彼がその動きを止めて私を見上げた。
私も和穂さんの隣に座る。
「だから俺の親には君がどれだけ素敵な女性か伝えていた。あの場で怒りをぶつけるようなことは絶対にないように事前に準備はしていた」
「そうなんですか?ありがとうございます…。でも、本当に反省しています」
「いいんだよ。それよりも、」
なるほど、と内心で深く頷く。
やはり彼の手のひらの上で転がされていると思った。出会いは偶然だとしても、その後は全て彼の計算通りに進んでいる気がする。
「婚姻届けはいつ提出しようか」
「…婚姻届け」
「だって、俺たち結婚するんだから。用紙なら既に用意してるから、あとは君が記入すれば提出するだけ」
実際に婚姻届けを提出する日程については近々ということで具体的な話はなかった。
ちゃんと頭では理解していたはずなのに、いざ婚姻届けの記入を迫られると本当に“結婚”するんだ、不安になってきた。彼で良かったとは思っているが、本当に夫婦としてやっていけるのか不安がないわけではない。
「急に怖くなってきた?」
顔に出ていたのか察するように声を掛ける彼はやはり余裕の表情だ。
「いいえ!怖くはありません」
「君が嫌だといったところで、もう遅い」
彼の余裕の笑みに返すようにっこり口角を上げるがそれが自然だったかどうかはわからない。
結婚をするということは、前回のキス以上のことをすることにもなるだろうしいずれ子供も作ることになるだろう。
マンションに戻るとすぐに和穂さんにお礼を伝えた。
「和穂さん、ありがとうございました。もっと怒られると思っていたのですが」
「あぁ、いいんだよ、それにこれは君の両親にも伝えたけど俺が進めたかった見合い話なんだ」
「…え?」
ソファに座りながらコーヒーカップに手を掛けている彼がその動きを止めて私を見上げた。
私も和穂さんの隣に座る。
「だから俺の親には君がどれだけ素敵な女性か伝えていた。あの場で怒りをぶつけるようなことは絶対にないように事前に準備はしていた」
「そうなんですか?ありがとうございます…。でも、本当に反省しています」
「いいんだよ。それよりも、」
なるほど、と内心で深く頷く。
やはり彼の手のひらの上で転がされていると思った。出会いは偶然だとしても、その後は全て彼の計算通りに進んでいる気がする。
「婚姻届けはいつ提出しようか」
「…婚姻届け」
「だって、俺たち結婚するんだから。用紙なら既に用意してるから、あとは君が記入すれば提出するだけ」
実際に婚姻届けを提出する日程については近々ということで具体的な話はなかった。
ちゃんと頭では理解していたはずなのに、いざ婚姻届けの記入を迫られると本当に“結婚”するんだ、不安になってきた。彼で良かったとは思っているが、本当に夫婦としてやっていけるのか不安がないわけではない。
「急に怖くなってきた?」
顔に出ていたのか察するように声を掛ける彼はやはり余裕の表情だ。
「いいえ!怖くはありません」
「君が嫌だといったところで、もう遅い」
彼の余裕の笑みに返すようにっこり口角を上げるがそれが自然だったかどうかはわからない。
結婚をするということは、前回のキス以上のことをすることにもなるだろうしいずれ子供も作ることになるだろう。