籠の中の鳥は今宵も熱い寵愛を受ける【完結】
―…―
…
朝から眠気が一気に吹き飛ぶほどの行為をこれから会社で顔を合わせるであろう和穂さんから受けたことでビル内に入ってもまだ私の心臓の動きは速いままだ。
受付を通り過ぎエレベーターに乗る。
朝のラッシュ時を避けるために普段よりも早く出社したから人もまばらだ。
ちょうど閉じられそうになったエレベーターに乗って階数のボタンを押すと一緒に乗り合わせた男性に気づき思わず顔を顰めた。
「おはよう」
「おはようございます…」
エレベーター内に孝太郎と二人っきりになる。階は違うがお互い高層階であることからすぐに下りられるわけではない。気まずいものの挨拶はして早く到着してくれと心の中で叫ぶ。ディスプレイに表示される数字の変わるスピードが今日に限っては非常に遅いように感じた。
と。
「秘書課に配属になったんだってね。おめでとう」
「ありがとう」
突然話しかけられた。まさか会話をするとは思ってもいない私は適当に返事をした。ただ、それ以上のキャッチボールをするつもりはなくまた無言になった。
「あのさ、聞いたんだけど…―」
孝太郎の視線を感じ彼の方を見上げようとした時、ちょうどドアが開いた。他の社員が乗り込んできたところで私たちの会話は終了した。
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朝から眠気が一気に吹き飛ぶほどの行為をこれから会社で顔を合わせるであろう和穂さんから受けたことでビル内に入ってもまだ私の心臓の動きは速いままだ。
受付を通り過ぎエレベーターに乗る。
朝のラッシュ時を避けるために普段よりも早く出社したから人もまばらだ。
ちょうど閉じられそうになったエレベーターに乗って階数のボタンを押すと一緒に乗り合わせた男性に気づき思わず顔を顰めた。
「おはよう」
「おはようございます…」
エレベーター内に孝太郎と二人っきりになる。階は違うがお互い高層階であることからすぐに下りられるわけではない。気まずいものの挨拶はして早く到着してくれと心の中で叫ぶ。ディスプレイに表示される数字の変わるスピードが今日に限っては非常に遅いように感じた。
と。
「秘書課に配属になったんだってね。おめでとう」
「ありがとう」
突然話しかけられた。まさか会話をするとは思ってもいない私は適当に返事をした。ただ、それ以上のキャッチボールをするつもりはなくまた無言になった。
「あのさ、聞いたんだけど…―」
孝太郎の視線を感じ彼の方を見上げようとした時、ちょうどドアが開いた。他の社員が乗り込んできたところで私たちの会話は終了した。