籠の中の鳥は今宵も熱い寵愛を受ける【完結】
午後からの仕事も覚えることややることが多く会社を出たのは19時過ぎだった。
本当は定時で退勤したかったがこればかりはしょうがない。
土浦さんは本来定時で帰るはずだったのに、私のために残ってくれたから一緒に会社を出た。
ちょうど今日は午後から雨の予報で折り畳み傘を持ってきており、A4サイズの肩掛けバッグからそれを取りだし歩道を歩く。
「あれ?土浦さん、傘は?」
「今日実は家に忘れてきたんだ。朝は降っていなかったから」
「じゃあ途中まで一緒に入りますか?」
「いや、いい」
「でも、濡れちゃいますよ。近くのコンビニまで一緒に行くので」
雨は強くアスファルトを打ち付けている。
数メートル歩くだけで土浦さんの肩が濡れている。私は突然無言になる彼に傘を差しだす。
「ありがとう」
「意外ですね。土浦さんって完璧人間かと思っていました。傘を忘れるようには見えないって言うか」
「それよく言われるけどしっかりしているのは仕事だけ。家だと掃除すら億劫で全て家事代行サービスに頼っているし、普段は適当だよ」
意外過ぎる事実を知り何度も「へぇ」と無意識に返事をしていた。
土浦さんの方が身長が高いこともあり、彼が私の折りたたみ傘を持ってくれた。
能面のような顔をしている彼の意外な面を知ることが出来て少し嬉しかった。一緒に仕事をしていくのに喋りにくいと仕事はやりにくい。
本当は定時で退勤したかったがこればかりはしょうがない。
土浦さんは本来定時で帰るはずだったのに、私のために残ってくれたから一緒に会社を出た。
ちょうど今日は午後から雨の予報で折り畳み傘を持ってきており、A4サイズの肩掛けバッグからそれを取りだし歩道を歩く。
「あれ?土浦さん、傘は?」
「今日実は家に忘れてきたんだ。朝は降っていなかったから」
「じゃあ途中まで一緒に入りますか?」
「いや、いい」
「でも、濡れちゃいますよ。近くのコンビニまで一緒に行くので」
雨は強くアスファルトを打ち付けている。
数メートル歩くだけで土浦さんの肩が濡れている。私は突然無言になる彼に傘を差しだす。
「ありがとう」
「意外ですね。土浦さんって完璧人間かと思っていました。傘を忘れるようには見えないって言うか」
「それよく言われるけどしっかりしているのは仕事だけ。家だと掃除すら億劫で全て家事代行サービスに頼っているし、普段は適当だよ」
意外過ぎる事実を知り何度も「へぇ」と無意識に返事をしていた。
土浦さんの方が身長が高いこともあり、彼が私の折りたたみ傘を持ってくれた。
能面のような顔をしている彼の意外な面を知ることが出来て少し嬉しかった。一緒に仕事をしていくのに喋りにくいと仕事はやりにくい。