籠の中の鳥は今宵も熱い寵愛を受ける【完結】
円滑に業務をするにはコミュニケーションが必須だ。
近くのコンビニまで彼を送り、再度彼からお礼を言われて私は徒歩で和穂さんのマンションへ向かう。
今日の夕食は何にしようかなと考えていると
「はすみ」
名前を呼ばれた。傘を持ちながら振り返ると普段は運転手付きの車で帰宅しているはずの和穂さんが立っていた。
「どうしたんですか?」
黒色の傘を差して笑みを浮かべる彼はどう見たっていつもの和穂さんなのだが雰囲気が違うような気がした。
「どうしたって君をたまたま見かけたから追いかけて来たんだ」
「…え?!どうして、」
「どうして?愚問だな」
馬鹿にするように笑う彼はやはりどこか普段とは違う雰囲気を纏っている。
片手をスーツのポケットに入れ、私を見下ろす彼に圧倒されながらも目は逸らさなかった。
「はすみが他の男と一緒に帰っているところを見たから」
「他の、男?」
「まぁいい。雨が強くなってきたから帰ろう」
はい、と返し二人で肩を並べて歩き出す。
(機嫌が悪いのかな?)
いずれ夫となる人とはいえまだ出会ったばかりだから彼のことは知らないことの方が多い。
近くのコンビニまで彼を送り、再度彼からお礼を言われて私は徒歩で和穂さんのマンションへ向かう。
今日の夕食は何にしようかなと考えていると
「はすみ」
名前を呼ばれた。傘を持ちながら振り返ると普段は運転手付きの車で帰宅しているはずの和穂さんが立っていた。
「どうしたんですか?」
黒色の傘を差して笑みを浮かべる彼はどう見たっていつもの和穂さんなのだが雰囲気が違うような気がした。
「どうしたって君をたまたま見かけたから追いかけて来たんだ」
「…え?!どうして、」
「どうして?愚問だな」
馬鹿にするように笑う彼はやはりどこか普段とは違う雰囲気を纏っている。
片手をスーツのポケットに入れ、私を見下ろす彼に圧倒されながらも目は逸らさなかった。
「はすみが他の男と一緒に帰っているところを見たから」
「他の、男?」
「まぁいい。雨が強くなってきたから帰ろう」
はい、と返し二人で肩を並べて歩き出す。
(機嫌が悪いのかな?)
いずれ夫となる人とはいえまだ出会ったばかりだから彼のことは知らないことの方が多い。