籠の中の鳥は今宵も熱い寵愛を受ける【完結】
「それで、何を話し合いましょう?あ、婚姻届けの提出日でしょうか」
「それもあったね。確かに具体的な日は決めていないからね。さっさと出してしまいたい気分ではあるんだけど、君の気持ちもあるだろうから」
どうやら婚姻届けについてではないようだ。
それも、という言葉を使っているのを聞くと違う。(婚姻届けの提出日を決めることももちろん大切だが)
私の部屋のソファとは違い奥行きがあるから和穂さんとは距離を取っていたはずだが気づくとそれが縮められている。
「私はいつでもいいですよ」
「じゃあ明日でも?」
「それは…―」
「提出したら俺たちは夫婦だ。つまり、もう君は逃げられない」
「何度も言いますが私は逃げたりはしないです!さすがに何度も常盤家にご迷惑になるようなことは…―」
と。
和穂さんの手が私の手首を掴む。
急に触れられると反射的に体をびくつかせてしまうのはしょうがないが和穂さんにはそれが“嫌”だと思われたようだ。
和穂さんから笑みが消えた。
「そういう意味じゃない。はすみは既に俺の妻なんだよ。直に婚姻届けだって提出する。それを分かってる?」
目を白黒させ、完全に冷静さをどこかに置いてきた私は頷くことで精一杯だった。
「夫婦がキスしかしないってことは普通ないとは思わないか?」
「…」
首を傾げ試すように顔を覗き込まれる。
「それもあったね。確かに具体的な日は決めていないからね。さっさと出してしまいたい気分ではあるんだけど、君の気持ちもあるだろうから」
どうやら婚姻届けについてではないようだ。
それも、という言葉を使っているのを聞くと違う。(婚姻届けの提出日を決めることももちろん大切だが)
私の部屋のソファとは違い奥行きがあるから和穂さんとは距離を取っていたはずだが気づくとそれが縮められている。
「私はいつでもいいですよ」
「じゃあ明日でも?」
「それは…―」
「提出したら俺たちは夫婦だ。つまり、もう君は逃げられない」
「何度も言いますが私は逃げたりはしないです!さすがに何度も常盤家にご迷惑になるようなことは…―」
と。
和穂さんの手が私の手首を掴む。
急に触れられると反射的に体をびくつかせてしまうのはしょうがないが和穂さんにはそれが“嫌”だと思われたようだ。
和穂さんから笑みが消えた。
「そういう意味じゃない。はすみは既に俺の妻なんだよ。直に婚姻届けだって提出する。それを分かってる?」
目を白黒させ、完全に冷静さをどこかに置いてきた私は頷くことで精一杯だった。
「夫婦がキスしかしないってことは普通ないとは思わないか?」
「…」
首を傾げ試すように顔を覗き込まれる。