籠の中の鳥は今宵も熱い寵愛を受ける【完結】
「え、だ、だって…失礼ですがそれは…他の方にも抱くような感情ではないでしょうか」
「何言ってるんだ、他の誰にも同じ感情は抱いていない」
「…」
かあっと顔が、いや全身が熱くなり鏡で確認したわけではないが、恋する女の顔になっているに違いない。
「そうですか…ありがとうございます」
狼狽える私はおかしな返事をして俯いた。これ以上ドキドキさせないでほしい。いい大人がまるで中高生の初恋のような反応をしているなど…恥ずかしくてしょうがない。
和穂さんが私のことが好きなどあまりにも非現実的で嘘を言われているのではなんて思ってしまう。
「じゃあ、はすみはどうしたら俺に惚れてくれる?」
「…」
「そんなに可愛い顔見せておいて他の男が好きですなんて言われたら…―」
彼の指がすっと私の髪を掬い、そのあと頬を撫でる。
「あ、あ…じゃあ!来月婚姻届けを提出しましょう」
「…?急に婚姻届けの話題?酔ってる?」
「そりゃバーに行って飲んでましたから、多少は酔っています」
「で、何故来月?今月でもいいと思っていたけど」
「それは…準備というか、心の」
「この間君はいつでもいいと言っていたような気がするんだけど」
「そ、それは…―」
「なんだか直前で逃げられそうな雰囲気があるなぁ。俺はこの結婚やめることはしない、絶対に」
「…」
「まぁ、来月でもいいけど、その代わりそれまでに俺に惚れてくれないかな」
「へ?」
「せっかく婚姻届けを提出して晴れて夫婦になるんだ。お互い好きになった方がいいだろ」
「そう、ですが…」
「じゃあ決まりだ。来月までに俺は君に好きになってもらえるよう、努力するよ。もちろん君もね」
「何言ってるんだ、他の誰にも同じ感情は抱いていない」
「…」
かあっと顔が、いや全身が熱くなり鏡で確認したわけではないが、恋する女の顔になっているに違いない。
「そうですか…ありがとうございます」
狼狽える私はおかしな返事をして俯いた。これ以上ドキドキさせないでほしい。いい大人がまるで中高生の初恋のような反応をしているなど…恥ずかしくてしょうがない。
和穂さんが私のことが好きなどあまりにも非現実的で嘘を言われているのではなんて思ってしまう。
「じゃあ、はすみはどうしたら俺に惚れてくれる?」
「…」
「そんなに可愛い顔見せておいて他の男が好きですなんて言われたら…―」
彼の指がすっと私の髪を掬い、そのあと頬を撫でる。
「あ、あ…じゃあ!来月婚姻届けを提出しましょう」
「…?急に婚姻届けの話題?酔ってる?」
「そりゃバーに行って飲んでましたから、多少は酔っています」
「で、何故来月?今月でもいいと思っていたけど」
「それは…準備というか、心の」
「この間君はいつでもいいと言っていたような気がするんだけど」
「そ、それは…―」
「なんだか直前で逃げられそうな雰囲気があるなぁ。俺はこの結婚やめることはしない、絶対に」
「…」
「まぁ、来月でもいいけど、その代わりそれまでに俺に惚れてくれないかな」
「へ?」
「せっかく婚姻届けを提出して晴れて夫婦になるんだ。お互い好きになった方がいいだろ」
「そう、ですが…」
「じゃあ決まりだ。来月までに俺は君に好きになってもらえるよう、努力するよ。もちろん君もね」