珈琲と花の香りの君
弾けるような笑顔と挨拶をくれて、なんだかほっとした。
昨日の珠利ちゃんの声は、なんとなく無理をしているように聞こえて、
『もしかして、本当は旅行なんか行きたくないんじゃないだろうか?』
俺の方が不安になってしまっていた。
でも、今朝の珠利ちゃんは、いつもの明るい珠利ちゃんだ。
「おはよう。珠利ちゃん。たくさん、遊ぼうね。」
言った俺に、
「うん!」大きく、頷いてみせた。
珠利ちゃんのバッグを預かって、トランクに載せれば、準備万端だ。