珈琲と花の香りの君
「及川さん、あたしね?この旅行中に及川さんとお揃いのものが欲しいの。キーホルダーでもストラップでもなんでもいいから。いつでも及川さんと一緒に居たいの。…ダメ、かな…?」
俺の顔を覗き込んで、急にそんなことを言い出す珠利ちゃん。
思わず、急ブレーキをかけて車を停めた俺に、びっくりした後続車がクラクションを鳴らして通り過ぎていく。
「どうしたの…?おいか…」
勢いよく、珠利ちゃんを抱きしめた、俺。
「ずっと、ずっと!ずっと一緒に居よう!!」
言葉は、口をついて出てきた。