珈琲と花の香りの君
「ねぇ。珠利ちゃん?俺の名前って知ってる?」
唐突に聞いてみたら、
「それは、もちろん!」元気に答えてくれた。
「じゃあさぁ、そろそろやめない?その『及川さん』っての。」
「……。」
いやいや!気持ちはわかるさ!でも『さん付け』はそろそろ、卒業してもらいたい。
じっ。見つめる俺。
黙る、珠利ちゃん。
「…及川さんは、なんて呼ばれたい?」
がばっと顔を上げて珠利ちゃんに尋ねられた。