珈琲と花の香りの君
ひらひらした、淡いピンク色のワンピースを着た珠利ちゃんは、何だか妖精みたいで、ふわふわどこかへ飛んでいってしまいそうな儚い印象を俺に与える。
ふと、不安になってしまって急いで強く、珠利ちゃんのてのひらに自分の指を絡めた。
そんな俺を、ふんわり笑って見上げる珠利ちゃんに、
「…離したりしないよ?」
思わず呟いていた。
そんな俺をびっくりしたような顔で眺めたと思ったら、一瞬の後花が咲くように笑って。
トドメのひとことは珠利ちゃんから不意に出た。