珈琲と花の香りの君
「あたしの方が、離してあげない。」
しっかりした口調が、俺を安心させてくれた。
どれだけ信じていたって、どれだけ好きだって。
ふとした瞬間に必ず不安はやってくる。
順調に進む、恋人たちの恋路に、恋愛の神様がヤキモチを妬くのかもしれない。
まぁ、俺の場合は『柳井・兄』が一番の天敵なのだけれど。
天気が良くて、あたたかい。
そんな中を珠利ちゃんと恋人同士で歩けるなんて。
この上ない、シアワセだ。