珈琲と花の香りの君
8.
明日は、俺が珠利ちゃんに告白してちょうど1年目だ。
あの時はいっぱいいっぱいだったな、俺。
今でも、プレゼントしたシュシュをつけていてくれる珠利ちゃん。
携帯には、スワロフスキーのクマが揺れている。
割れることがなく、お互いの左手薬指には、 ガラスの指輪。
一緒に過ごしてきた日々は、ひとつひとつが忘れることなんて出来ない、とてつもなく大切なものだ。
少し前までは、こんな風に思える日が来るなんて、考えてもいなかった。
ただただ清水が好きで、感傷に浸っていた情けない俺。