珈琲と花の香りの君
「…すみません。直前逃亡したくなりました…」
そんな素直な俺の呟きに、奴は『ふっ。』と笑った。
「…珠利は、本当によく君のことを話すよ。楽しくて楽しくて仕方がない様子でね?」
喋り出した奴の声に耳を傾けた。
「旅行に行ったときに、君がとても優しく自分の事を理解してくれたんだと。それが何より嬉しかったらしいよ?」
そして奴はこう、続けた。
「誰でも不安になるのは当たり前だろう?だから、頑張りなさい。」