珈琲と花の香りの君
「…ありがとう…ございます。」
柳井の口調はやっぱり穏やかで、心から安心できた。
そう言えば、高校生の頃、お互いが清水のことを想っているとわかった後でも、何かと気にかけてくれていたなぁ。
そんな事を想い出していた。
「そろそろ、約束の時間なんじゃないのか?」
珠利が10時にたかさんに会えるって、楽しみにしていたよ。
柳井の後押しを力強く思った。
「はい。あ…そうだ。」
言いかけた俺。