珈琲と花の香りの君
すでに夕暮れ時が近付いていて、焦って助手席の珠利ちゃんに話しかけた。
「珠利ちゃん、ごめんね。なんか道に迷っちゃったみたいで。」
謝った俺に、
「どうして、たかさんが謝るの?あたしはたかさんと一緒に居られる時間が増えて、嬉しいよ?」
隣の珠利ちゃんからそんな言葉が飛び出した。
思わず珠利ちゃんを見ると、にっこり笑ってくれていて。
「ねぇ、たかさん?ちょっと車、停めてくれる?」
俺をのぞき込んで、少し首を傾げて見せた。