珈琲と花の香りの君
珠利ちゃんの言葉に、反射のようにハザードを出して路肩に車を停めた。
そんな俺の手のひらを、優しく両手で包んでくれた珠利ちゃん。
初めて珠利ちゃんと出逢った朝に、俺の手のひらを包んでくれた時と同じように、ひんやり冷たい珠利ちゃんの手のひら。
「あたしね。たかさんの手のひらの温度が大好きなの。優しくてあったかいんだよ?」
そう言って、俺の手のひらをふんわり包んだ珠利ちゃん。
「ねぇ。たかさん、何を焦ってるの?あたしはどこにも行かないんだよ?だってここが、たかさんの隣があたしの特等席でしょう?」
ね?なんて微笑まれたら…