珈琲と花の香りの君
あぁ…ダメだ。もう、ダメだ。
なんだか、鼻の奥がつーんとしてきて、思わず下を向いた。
「もう。たかさんったら、可愛いんだから。」
俺の頭を抱き寄せて、ぽんぽんとあやすように叩く珠利ちゃん。
「あたしはねー?どんなたかさんだって好きよー?熱いコーヒーで火傷したって、指を挟んだって、ランチをぶちまけたって、道に迷ったって。」
ふふ。可笑しそうに笑ってくれた。
「たかさんが居てくれるだけで、あたし毎日が楽しくてシアワセなの。」