珈琲と花の香りの君
「…珠利ちゃん…」
顔を伏せたままだが、震える声プラス、涙声は隠しようもなくて。
「こうして、あたしの前では素のたかさんで居てくれるでしょう?だからあたしもいつも、たかさんには全てさらけ出せるんだよ?」
だから、大丈夫。
俺の耳元で囁いた珠利ちゃんは、俺の両頬に手を置いて、ゆっくり顔をあげさせた。
顔は赤いし、もう涙と鼻水でぐしゃぐしゃだ。
珠利ちゃんのひんやりした温度の手のひらが俺を落ち着かせてくれた。