珈琲と花の香りの君



俺からゆっくり離れた珠利ちゃんは、



「もう。たかさんったら、しょっぱいよ。」



笑いながら、俺の涙やら鼻水を拭いてくれた。



こんな道路のはじっこで、辺りには何にもないところだけれど、きっと大切なのは綺麗な景色でも、甘いシチュエーションでもなくて。



今のこの、素直な気持ちなんじゃないだろうか?



涙と鼻水でぐしゃぐしゃのプロポーズだって、構うもんか!!



意を決して、珠利ちゃんに向き合った。
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