珈琲と花の香りの君
ラッピングのたしなみがあれば、カードだけを取り出して、包み直す事も可能だが、俺にそんな才能は皆無だ…。
どうしよう、どうしよう…。
迷っているうちに、時間は過ぎて、気がつけば出勤時間ギリギリだ。
もう!今しかないじゃないか!!
思い切って、自動ドアをくぐった。
「おはようございます。及川さん。」
にこやかに声をかけてくれたのは、珠利ちゃんだ。
お、おいかわさんなんて!初めて珠利ちゃんに呼んでもらえたー!!
やばい…、顔が赤くなっていないだろうか…。