珈琲と花の香りの君



「……え…」



絶句する俺に珠利ちゃんは続けた。



「実はうちのカフェ、厳しくてアクセサリーとかの類は禁止なんです。…でもどうしてもと思って、プレゼントを頂いた次の日、シュシュをつけていたんです。だけど、外すように注意されてしまって…」




そこで言葉を切った珠利ちゃんは、真っ直ぐに俺を見つめた。



「あたし、及川さんの事がずっと気になっていました。だからプレゼントはすごく嬉しくて。あの日、及川さんがいらしたら、ちゃんとシュシュをつけていない理由をお話しようと思っていたんですけど…」
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