珈琲と花の香りの君
清水とは、高校の2、3年と同じクラスだった。
あまり目立つような子ではなかったけれど、優しくて穏やかな清水に、いつの間にか、惹かれていた。
ところが、だ。清水を見つめているうちに、清水が誰を見つめているのかに、気がついてしまったのだ。
清水の想いは届くはずがないと思った。相手が相手だし。
俺は少しずつ、清水に自分の想いを伝えようと思ったのだ、
だけど、奴に先を越された。
冗談みたいだと思った。だけど、奴は清水をかっさらいやがった。
時を超えて二度も、だ。