珈琲と花の香りの君
その時には、清水が誰と付き合っているかなんて知らなかった。
ただただ弱っている清水は、はかなげで綺麗で守るべき存在だった。
酔いつぶれた清水に、キスをした。
でも清水が呼んだのは、柳井の名前だ。
なんだか逆に、晴れ晴れとした気持ちになって、すっぱり諦められた。
そうして俺にも、新しい恋がやってきた。
運命的に出逢った、可愛らしい珠利ちゃん。
今、俺の横で笑っていてくれることは、奇跡だ。
もひとつ。珠利ちゃんの兄貴がこの男だというのも、俺にしてみれば奇跡、だ…。