珈琲と花の香りの君
再び、コーヒーを載せたトレイを持ってやって来た彼女。
コーヒーソーサーを持つ手首は、細く白い。
強く握れば折れてしまいそうだ。
彼女の手首を思わず凝視する。
「…あの…、」
突然頭上から降る声に、がばっと視線を上げれば
俺の手元を見つめる彼女。
「…?」
「煙草が…、」
ん?煙草…?
「うっわっ!あっちい!!」
灰と化した煙草が、手にかかる。
「どうぞ!!」
慌てて灰皿を引き寄せてくれる彼女。