珈琲と花の香りの君



しつこく鳴り続ける携帯。



「出なくていいんですか?」



俺を窺う珠利ちゃんと目があって、



「あぁ…、ちょっとごめんね。」



意を決して、携帯の通話ボタンを押した。



「……はい。」



最初の沈黙は、せめてもの嫌がらせだ。



「珠利に何か、しようとか思ってないよな?」



いきなりの爆弾投下に、焦る俺。バレてるし!!



「そ、そんなことあるわけないじゃないですか!!」



思わず、裏返った声にまた、焦る。
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