珈琲と花の香りの君



赤くなったまま、うつむく珠利ちゃんをもう一度抱き寄せた。



ポニーテールの付け根には、俺が贈ったシュシュ。



相変わらず、花の香りがする。



「珠利ちゃん…」



呼び掛ければ、ゆっくり顔を上げてくれた。



もっと見たいな。その真っ赤になったほっぺたとか。



そっと珠利ちゃんのあごに手を添えて、顔を持ち上げた。



伏せたまつげが震えていて…



もう、愛おしい。



ゆっくりキスをした、柔らかな風が吹く夕暮れ時……。
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