珈琲と花の香りの君
5.
珠利ちゃんと付き合い始めて、半年ほどが経った。
今日も今朝から、珠利ちゃんが働くカフェに入り浸っている。
すでに珈琲カップの中は、空だ。
ついでに言うと出勤時間も迫っている。
だがしかし!もう少し、もう少しだけこのまま珠利ちゃんを眺めていたい。
俺の朝のささやかな癒しだ。
見つめる俺の視線に気がついた珠利ちゃんが、カウンターの中からちいさく手を振ってくれて、それだけで有頂天になる。