秘密と家族
琉雨と華秀が奥の席に座る。
二人共足を組み、メニューを見ている。
琉雨は威圧感を出し、店の雰囲気が少しだけピリッと張り詰めた。
そして華秀も見た目こそ穏やかだが、内に秘めた恐ろしさがある。
「コーヒー、二つ。
あと里見、琉梨のことよろしくね」
里見が琉雨と華秀の接客に来て、琉雨が注文しながら伝える。
「はい」
「…………あとそれ以上、惚れないでね」
「え……!!?」
去ろうとする里見の背中に声をかける琉雨に、思わず振り返る。
「え?って、わからないの?
里見、琉梨に心奪われてるでしょ?
だから“それ以上”惚れるなって言ってるの」
「里見、お前、バレバレ!」
「フッ…!
ほんっと、神倉家の人間には……敵わない」
里見は微笑み、二人を見据えた。
「俺が何故、お前を琉梨の護衛につけたかわかる?」
「え?」
華秀の言葉に、里見がフリーズする。
「琉梨の任せられるのは、湊川かお前だけ。
お前等は、器用で賢くて、それでいて色んな意味で強い。でも一つだけ違うのは、感情をコントロールできるか否かということ。
琉梨はいい女だからな、お前等が惚れるのは目に見えてる。そうなったら、お前ならコントロールできる。
湊川には無理だからなぁー」
「若…」
「俺の言ってる意味、わかるよな?」
華秀の鋭い視線と言葉に、里見は大きく頷いた。
「あの16番席、神倉さんの知り合い?」
香月が琉梨に声をかけてきた。
「あ、はい。
旦那さんと、義理の叔父さんです」
「だ、旦那!?
そうなんだぁ…
でもなんか…怖そうだね…!」
「あ……そう…ですよね…
でも、とっても優しいんですよ」
(琉雨はクールだし、今は少し威圧感出てるもんなぁ。
華秀くんも、秘めた怖さあるし……
でも…………)
「そ、そっか」
「だから香月さん、そうゆうのやめてください」
琉梨は真っ直ぐ香月を見上げて言った。
「え?」
「人を見た目で判断することです」
「別にそんなつもりは…」
「二人は誤解されやすいんですが、とっても素敵な家族なんです」
そう言って琉梨は仕事に戻った。
そして勤務終了して、舞子と更衣後出ようとすると香月が声をかけてきた。
「神倉さん!」
「あ、香月さん、お疲れ様でした」
「さっきは、ごめん!」
「え?」
「確かに、神倉さんの言う通りだなって!ごめんね!」
「い、いえ!こちらこそ、すみません!」
頭を下げてきた香月に、琉梨も慌てて頭を下げた。
「ううん。
じゃあ、これからよろしくね!」
「はい!よろしくお願いします!」
微笑む香月に、琉梨も微笑み返した。
二人共足を組み、メニューを見ている。
琉雨は威圧感を出し、店の雰囲気が少しだけピリッと張り詰めた。
そして華秀も見た目こそ穏やかだが、内に秘めた恐ろしさがある。
「コーヒー、二つ。
あと里見、琉梨のことよろしくね」
里見が琉雨と華秀の接客に来て、琉雨が注文しながら伝える。
「はい」
「…………あとそれ以上、惚れないでね」
「え……!!?」
去ろうとする里見の背中に声をかける琉雨に、思わず振り返る。
「え?って、わからないの?
里見、琉梨に心奪われてるでしょ?
だから“それ以上”惚れるなって言ってるの」
「里見、お前、バレバレ!」
「フッ…!
ほんっと、神倉家の人間には……敵わない」
里見は微笑み、二人を見据えた。
「俺が何故、お前を琉梨の護衛につけたかわかる?」
「え?」
華秀の言葉に、里見がフリーズする。
「琉梨の任せられるのは、湊川かお前だけ。
お前等は、器用で賢くて、それでいて色んな意味で強い。でも一つだけ違うのは、感情をコントロールできるか否かということ。
琉梨はいい女だからな、お前等が惚れるのは目に見えてる。そうなったら、お前ならコントロールできる。
湊川には無理だからなぁー」
「若…」
「俺の言ってる意味、わかるよな?」
華秀の鋭い視線と言葉に、里見は大きく頷いた。
「あの16番席、神倉さんの知り合い?」
香月が琉梨に声をかけてきた。
「あ、はい。
旦那さんと、義理の叔父さんです」
「だ、旦那!?
そうなんだぁ…
でもなんか…怖そうだね…!」
「あ……そう…ですよね…
でも、とっても優しいんですよ」
(琉雨はクールだし、今は少し威圧感出てるもんなぁ。
華秀くんも、秘めた怖さあるし……
でも…………)
「そ、そっか」
「だから香月さん、そうゆうのやめてください」
琉梨は真っ直ぐ香月を見上げて言った。
「え?」
「人を見た目で判断することです」
「別にそんなつもりは…」
「二人は誤解されやすいんですが、とっても素敵な家族なんです」
そう言って琉梨は仕事に戻った。
そして勤務終了して、舞子と更衣後出ようとすると香月が声をかけてきた。
「神倉さん!」
「あ、香月さん、お疲れ様でした」
「さっきは、ごめん!」
「え?」
「確かに、神倉さんの言う通りだなって!ごめんね!」
「い、いえ!こちらこそ、すみません!」
頭を下げてきた香月に、琉梨も慌てて頭を下げた。
「ううん。
じゃあ、これからよろしくね!」
「はい!よろしくお願いします!」
微笑む香月に、琉梨も微笑み返した。