【完結】余計な愛はいらない。


 わたしは玲音だけに愛されたかった。 愛してほしかった。
 ただそれだけ、ただそれだけなのに……。

「どうしてこんなに、好きになってしまったんだろ……」

 玲音から最初に言われた。【心までは愛せない、体だけなら愛してやる】と。
 最初はそれで良かった。体だけでも愛してくれる人ならいるなら、それで良かった。
 なのに今わたしは、彼のすべてがほしいだなんて、わがままを言っている。

 好きで好きで仕方ないのに、わたしの恋は報われない。……報われることなんて、ない。
 わたしは玲音のそばには、いられない。そばにいる資格なんて、ないんだ。

 玲音には奥さんも子供もいる。 わたしの入る隙なんてない。
 もうこれ以上、わたしは玲音に何も望めない。玲音の体も、玲音のキスも、玲音の香りも、何も望めないんだな……。

 もう終わりにしなくちゃイケない、この関係を。
 もういい加減に終わりにしないと、わたしはきっと立ち直れない……。

「玲音……大好きだよ」

 玲音がいてくれたから、わたしは幸せだと感じられた。
 玲音のおかげ。だけど、もう終わりにする。
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