【完結】余計な愛はいらない。
すごく悔しい。ずっと好きなのに、ずっとそばにいたいのに。
「……離婚してなんて、言えるわけない」
彼は奥さんとの時間も大切にしているから。
奥さんの誕生日、そして結婚記念日。奥さんのことを大切にしている証拠だ。
わたしは奥さんみたいに愛してもらえない。誕生日の日も、わたしは彼に一緒に過ごしてはもらえなかった。
偶然にも、わたしの誕生日と彼と奥さんの結婚記念日が同じ日だったから。
わたしは彼とは本当にセフレということだ。体以外、愛してはもらえないんだ。
だけど例え愛してもらえなかったとしても、わたしは彼のことが好き。 どうしようもなく、好きなの。
この気持ちを止めることは出来なくて、結局彼のことを強く深く、愛してしまう。
そして愛されたいと願っているんだ。
「セフレでもいいから、愛してくれる?」
「心までは無理だ。……でも体だけなら、愛してやってもいい」
初めて彼と出会った時、わたしは彼にそう言われた。
だけど体でも愛してくれるならと、彼のセフレになることを決めた。