【完結】余計な愛はいらない。


 こうしてちゃんと好きだと言葉にしてくれるのは、ありがたい。 なんかこう、野瀬さんからの愛を感じるから。  

「だから杏実、俺以外の男は見るなよ」

「……はい。分かってますよ?」

 ちょっとヤキモチを妬いたりする所も、愛おしいと感じる。

「分かってるならOKだ」

「野瀬さん、やっぱり酔ってます?」

「そんなことはない」

 ううん、やっぱりちょっとだけ酔ってる。だって酔ってる時の野瀬さん、目が少しトローンとしてるもの。
 そしてなぜかヤキモチを妬くのも、酔ってる時が多い。……本人は覚えてなさそうだけど。

「野瀬さん、今日家に泊まってきますか?」

「もちろん行くよ。杏実と一緒にいたいから」

「分かりました。 じゃあそろそろ行きましょう?」

「そうだな」

 バーでお酒を呑んだ後、わたしと野瀬さんはわたしのアパートへと向かうために歩いていた。
 
「杏実、早く杏実を抱きたいよ」

「もう野瀬さんたら……。もう少しだけ待ってください」

「待てないなあ」

 野瀬さんのこういう子供っぽい所も、なんだか可愛くて好き。 ギャップがいいの。
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