【完結】余計な愛はいらない。


 とわたしが問いかけると、玲音は「……妻とは離婚した」と答えた。

「……え?」

 離婚した……?

「なんだ、杏実と浮気してたことが妻にバレたのか?」 

「……ああ、それで離婚を言い渡された」

 そんな……。それってまさか……。

「わたしの……せい……?」

 わたしが、玲音の家庭を壊したってこと……?
 わたしのせいで……玲音は離婚したの……?

「杏実、それは違うだろ。お前のせいじゃない」

 野瀬さんがそう言ってフォローしてくれるけど、わたしには罪悪感しか感じなかった……。

「……杏実のせいなんかじゃない。気にするな」

 玲音も声は掠れているけど、そう言ってくれた。

「そうだよな。こうなったのも玲音、お前自身のせいだよな? 杏実を傷付けただけでなく、お前は奥さんと子供までも傷付けたんだからな。……そんなのは自業自得だろ」

 野瀬さんが玲音に放った言葉は、とてもキツイ言葉だった。……でも野瀬さんの言っていることは全部正しくて、わたしにも玲音にも、反論することは出来なかった。
 自業自得、そう言われたらそうだなって……納得してしまった。
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