【完結】余計な愛はいらない。

元妻の訪問✕離婚の真実




✱ ✱ ✱


「颯人、こっち来て?」 

「なんだよ、どうした?」

 玲音との再会から3ヶ月が経過した。 あれからわたしたちの交際は順調に進んでいる。

「ねえ、これ見て。……ニット帽、編んだの」

「え? これ、杏実が編んだのか?」

「う、うん」

 季節は秋から冬に移り変わろうとしていた。暑さも和らぎ寒さがやってくる季節になってきた。
 わたし颯人のために、手作りの手編みのニット帽を編んでみた。

「すごいじゃん、杏実。ニット帽手作り出来るなんて、さすがだな」

 ニット帽をプレゼントしたら、颯人はとても嬉しそうに笑っていた。

「そ、そうかな……?」 
 
 元々お母さんがマフラーとか昔よく作ってくれてたから、わたしもお母さんのを見てたっていうのもあって、何度か作ったことはあるのだけど。

「ありがとう、杏実。本当に嬉しいよ、マジで嬉しい」

「……良かった」

 こんなに喜んでもらえると思ってなかったわたしは、颯人のこの笑顔を見て作って良かったと感じたのだった。

「この冬、早速使わせてもらってもいいか?」

「……うん、もちろんだよ」
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