ひまわりが枯れるとき、ライオンは…
「…そういえば俺、高野さんに報告することがあるんだ。」
『何?』
「俺、春休み中にアメリカに行くかもしれない。」
『…。』
「少し前に先生に勧められたんだ。学校の方から補助も少しあるみたいで…その、良い勉強になるだろうって。」
『すごいじゃん!!留学なんて!それに、補助まで出るなんて、よっぽど優秀じゃなきゃあり得ないよー。』
「でも、まだ迷ってる。」
『なんで?迷うことないじゃん。チャンスなんだよ。英語が好きなら行くべきだよ。』
「高野さん、いなくならないよね。」
『…。』
「俺がアメリカ行ってる間に、死なないよね。」
『…死なないよ。』
「高野さん、嘘つきだからな…。」
『獅子谷くんに嘘ついたことはないでしょ?』
「…そうだけど。」
『それに、前にも言ったでしょ?治療は上手くいってるって。それにほら、変色も背中からは進んでないし。』
「うん。」
『私は、死ぬ気なんて全くないよ。生きたくて生きたくて仕方ないんだから。』
「…約束。」
『…え。』
「約束してよ。死なないって。」
俺は今、子供みたいなお願いをしている。
『…獅子谷くん、ハグしよ。』
「…え。」
『指切りでもいいんだけど、今ちょっと手が痺れてて…だから、そのかわり。』
「…。」
『もしかして、恥ずかしい?』
「そんなわけないでしょ。」
俺は、高野さんの肩に手をかけて顔を高野さんの顔の横に埋めた。
高野さん肩は、少し手に力を入れたら骨が砕けてしまいそうなくらい、弱々しかった。
「約束だからね。」
『…うん。』
『獅子谷くん。』
「…ん?」
『私、獅子谷くんに会えてよかった。獅子谷くんが獅子谷くんでよかった。』
「俺も。高野さんが高野さんでよかった。」
それから俺たちは、顔を見合わせて笑った。
『何?』
「俺、春休み中にアメリカに行くかもしれない。」
『…。』
「少し前に先生に勧められたんだ。学校の方から補助も少しあるみたいで…その、良い勉強になるだろうって。」
『すごいじゃん!!留学なんて!それに、補助まで出るなんて、よっぽど優秀じゃなきゃあり得ないよー。』
「でも、まだ迷ってる。」
『なんで?迷うことないじゃん。チャンスなんだよ。英語が好きなら行くべきだよ。』
「高野さん、いなくならないよね。」
『…。』
「俺がアメリカ行ってる間に、死なないよね。」
『…死なないよ。』
「高野さん、嘘つきだからな…。」
『獅子谷くんに嘘ついたことはないでしょ?』
「…そうだけど。」
『それに、前にも言ったでしょ?治療は上手くいってるって。それにほら、変色も背中からは進んでないし。』
「うん。」
『私は、死ぬ気なんて全くないよ。生きたくて生きたくて仕方ないんだから。』
「…約束。」
『…え。』
「約束してよ。死なないって。」
俺は今、子供みたいなお願いをしている。
『…獅子谷くん、ハグしよ。』
「…え。」
『指切りでもいいんだけど、今ちょっと手が痺れてて…だから、そのかわり。』
「…。」
『もしかして、恥ずかしい?』
「そんなわけないでしょ。」
俺は、高野さんの肩に手をかけて顔を高野さんの顔の横に埋めた。
高野さん肩は、少し手に力を入れたら骨が砕けてしまいそうなくらい、弱々しかった。
「約束だからね。」
『…うん。』
『獅子谷くん。』
「…ん?」
『私、獅子谷くんに会えてよかった。獅子谷くんが獅子谷くんでよかった。』
「俺も。高野さんが高野さんでよかった。」
それから俺たちは、顔を見合わせて笑った。