ひまわりが枯れるとき、ライオンは…
放課後、俺は約束通り屋上で高野さんを待っていた。

『遅くなってごめん、お待たせしました。』

「そんなに待ってないよ。」

『本当?ならよかった。六花と話しちゃってさ…ごめんね。』

「だからいいって。それで、用事って何?」

『週末のご予定は?』

「特にないけど。」

『買い物付き合って欲しいんだよね。』

「何買うの?」

『服とか?』

「檜山さんといきなよ。」

『思い出づくりのための服だからさ。』

「…。」

『獅子谷くんとしか買いにいけないでしょ?1人もつまらないし。』

「でも…。」

『お願い!お昼奢るから。』

「…わかったよ。」

『本当?!ありがとう!お昼何がいい?』

「いいよ、奢らなくて。別に、暇だったし。」

『やっぱり、獅子谷くんは優しいね。笑』

「そんなことないよ。」

『じゃあ、土曜10時、駅で待ち合わせで。』

「了解。」

誰かと出かけるなんて、いつぶりだろう。
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