ひまわりが枯れるとき、ライオンは…
「高野さん、土曜日、獅子谷と2人でいたんだって。」

「それ、まじ?脅されたとか?」

「そうじゃない?だって、そうでなきゃあり得ないもん。」

「それか、高野さんも難ありなんじゃない?」

「ワンチャンあるかもね。美人だし、あちらの前では性格良いし、裏があってもおかしくないかも…。」

「いやぁ、見つけたときまじびびったわ。なぁ?林?」

「うん。俺、高野さんちょっといいなって思ってたんだけど、なんか、ちょっと冷めたわ。笑」

「それ、少しわかるかも。笑」

週末明け、俺と高野さんはちょっとした話題になっていた。

あ、檜山さんが、不機嫌な顔をしてる。

そろそろ、爆発しそうだ。

「ちょっと、みんな!陽葵李の陰口やめてよ。」

「でもよ、檜山。俺らみたんだよ。」

「獅子谷はともかく、陽葵李はそんな子じゃない!」

「そうだよ。私も高野さんと中学から一緒だけど、本当にいい人だよ。」

「…悪かったよ。ごめん。」

「わかれば、いいのよ。」

高野さんは、すごい。

噂が出ても、信じてくれる人がいるのだ。

その人たちも噂を広める人たちに負けない、強い人だ。

それは、高野さんがいい人だからだ。

俺と高野さんが出かけていたという話題はすぐに消えていった。

俺が不良っていう話題はまだ消えそうにないが…。
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