ひまわりが枯れるとき、ライオンは…
『獅子谷くんおはよう!』

「お、おはよう…。」

『いい死に方思いついた?(ヒソッ』

「まだ。」

『ならよかった。』

屋上で会った日から、高野さんは俺に絡んでくるようになった。 

『おはよう!六花(りっか)。』

「陽葵李、あんたなんで獅子谷と話してるの?」

『なんでって、別に普通じゃない?』

「あんた、あいつの噂知らないの?」

『噂って?』

「中学の時に生徒殴って警察に捕まったの。」

『…噂でしょ?』

「そうだけど、獅子谷と同中だった子が言ってたからほぼ間違いないって。」

『そうなんだ。あ!ホームルーム始まるよ。座らないと。』

「ちょっと、陽葵李!」

『六花、先生来たよ。』

「もう。」

俺はクラスで浮いていた。

誰も話しかけてこないし、近づいても来ない。

たまに、俺のことを見に他のクラスから覗きにくる生徒はいるが…。

毎日毎日、ヒソヒソと俺の話が聞こえて来る。

俺は授業の時間以外は屋上で過ごすようになった。

屋上で、ただ、高野さんに言われたことを考えている。

好きだから死んでほしくない。

言葉の意味はわかる。

俺も好きな人、大切な人には死んでほしくない。

なんで、高野さんは本当に俺のことを好きなのだろうか?

それか、他に何かー。

『獅子谷くん。』

「高野さん。」

『…死に方でも考えてた?』

「まぁ、そんなとこ。」

『…今のところの…候補は?』

「いわない。」

『…なんで?』

「言ったら止めるでしょ?」

『もちろん。』

「だから、言わない。」

『いっそのこと、死のうとするのやめたら?』

「俺のことは俺が決めるから。」

『…ちぇ。』

あれ、高野さん、いつもより元気がないような…。

「ねぇ、高野さん。」

『…なんで…しょう?』

反応が少し遅い。

「周りの人から、俺の話とか聞いてるでしょ?」

『…そうだね。獅子谷くん有名人だから。』

「悪い意味でね。その話とか聞いても、俺のこと好きなの?」

『…好きだよ…。』

「…。」

『…それに、私…獅子谷く…んのことは…獅子谷くん…から…言わ…れたこと…し…か…信じ…ない…か…ら…。』

「高野さん?ちょっと、顔色悪いけど、大丈ー。」

バタッ

突然、高野さんが倒れた。
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