ひまわりが枯れるとき、ライオンは…
コンコンッ

「失礼します。」

「どうぞ。」

「先生、あの、高野さんは。」

「カーテンの奥のベッドで寝てるわ。そんなに心配しなくても大丈夫よ。あ、ありがとうね。保健室まで運んでくれて。」

「いえ、そんな…。」

「私、これから職員会議で出なきゃいけないんだけど、獅子谷くん高野さんの様子見ててくれないかな?何かあったら知らせてほしいの。」

「…わかりました。」

「ありがとう。よろしくね。会議室にいるから。」

「はい…。」

まじか…。

高野さん、なんで倒れたんだろう。

普通に元気そうだったのに。

「…あの!高野さんて、貧血か何かですか?」

「…倒れるなんて珍しいことじゃないから、獅子谷くんは気にしなくて大丈夫。じゃあ、よろしくね。」

珍しいことじゃない…か…。

そういうことはよくわからない。

男子と女子との違いだったりするのだろうか。

まぁ、大したことでないならよかった。

…本当に大したことではないのだろうか?

倒れる直前、高野さんは息が苦しそうだった。

それに、倒れた時ー。

『先生?』

「高野さん、起きた?先生は会議でいない。」

『獅子谷くん?!』

「うん、そうだよ。入っていい?」

『どうぞ。』

「失礼します。具合はどう?」

『うん、全然元気。私もしかして倒れた?』

「倒れた。急に。」

『そうだったんだ。最近寝不足で疲れてたのかな。笑 獅子谷くんが運んでくれたの?』

「まあ。」

『ありがとう。重かったでしょ?ごめんね。』

「いや、それは全然。」

『本当に?笑 獅子谷くんは力持ちだね。』

「そうでもないよ。あのさ、」

『ん?』

「先生、会議でしばらく戻ってこないんだって。」

『それがどうかした?』

「せっかくだし、なんかしとく?」

『なんかって何?』

俺は、高野さんをベッドに押し倒した。

『ちょ、獅子谷くん?!』

「…」

『ねぇ、どうしたの?らしくないよ。』

「…俺らしいってなんだよ。高野さん、男舐めすぎ。」

高野さんは、顔を背けた。体は…震えてる。

「高野さん、俺のこと全然好きじゃないでしょ?」

『えっ。』

俺は高野さんを離した。

「強引なことしてごめん。でも、なんでそうな嘘ついたの?」

『何言ってるの?私嘘なんかー。』

「今、めっちゃ怖がってたじゃん。」

『それは…。』

「あと、もう一個教えて欲しいんだけど、」

『なに?』

「高野さん、死ぬの?」
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