ひまわりが枯れるとき、ライオンは…
高野さんは、テストが終わるとすぐに教室を出ていった。

きっと、迎えが来ているのだろう。

高野さんが帰ると、女子たちが集まって何やら話し出した。

話し声が大きいのか、女子の声はよく通るのか、何を話しているかは丸聞こえだった。

「陽葵李、大変なことになっちゃったね。」

「あれ、2.3ヶ月治らないよね。」

「うん、気の毒だね。」

「花火大会どうしよう。誘う?陽葵李。」

「出店あるとこと道悪いよね?車いす無理じゃない。」

「行けたとしても、大変そう。」

「車椅子止められるところで花火みる?」

「えー、でもせっかくなら出店まわりたいよ。」

「私も、浴衣買っちゃったし。陽葵李とも一緒に行きたいけどさ…。」

「あ、陽葵李からメッセージきた。」

「なんだって?六花。」

「えっと、ー車椅子になっちゃったから、今年の花火大会はみんなで行ってきて。浴衣着たら写真送ってね!ーだって…。」

「陽葵李がそういうなら、そうしようか。」

「うん、そうだね。」

「六花、そうしよう。」

「…う、うん。」

そのあと、女子たちは浴衣や髪型の話で盛り上がっていた。

檜山さんだけ、少し暗い顔をしていた。
< 48 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop