ひまわりが枯れるとき、ライオンは…
教室を出ると、何かにつまづいた。

拾ってみると、俺が高野さんにプレゼントした羊毛のひまわりだった。

暇だし、届けるか。

「優、テストお疲れ!」

海人が飛びついてきた。

「海人。お疲れ。テストできた?」

「わかんないけど、でも、前より全然できるようになってる気がする!」

「それならよかった。」

「おう。 あ、そうだ優。これ一緒に行かね?」

そう言って、海人は廊下の壁に飾ってあるポスターを指差した。

「え、花火大会?」

「おう、来週末な。行こうぜ。」

「2人で?」

「あー、いや、他の奴らも誘おうと思ってる。」

「なら、やめとく。俺いたら空気悪くなるし。」

「えー、なんでそんなこと言うんだよ。優が友だち増やすきっかけになったらいいなって思ったのに。」

「その気持ちはありがたいけど、ほら、元々のイメージが悪すぎるから。」

「それは大丈夫!俺が証明するから!優がいいやつだって。」

「いや、でも…。」

「いいじゃん、行こうぜ。な?」

「…考えとく。」

「前向きによろしくな。」

よし、2日後に断ろう。
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