ひまわりが枯れるとき、ライオンは…
高野さんに会いに来るたびに少しずつ読み進めてはいるが、まだまだ読み終わりそうにない。

ー今日は妹の誕生日だ。
僕の妹は、名前の通りに明るく常に前向きで、優しい子に成長したと思う。
何をプレゼントしていいかわからず、用意しないまま当日を迎えてしまった。
ライオンくんと、勉強する日でもあったから、彼にアドバイスをもらうことにした。
今の中学生は何が欲しいのか聞いてみると、「俺は、流行りのものとかはわからない。でも俺だったら、特別な日は大切な人と過ごしたいと思う。今日は自習するから、早く帰って祝ってあげて。」
ライオンくんに言われた通り、すぐに帰ってお祝いをした。
妹派とても喜んでくれた。
ライオンくんのおかげだ。
ありがとう。

『私の誕生日でも、私より獅子谷くんが出てきてる。』

「俺、こんなこと言ったかな…。」

『言ったんだよ。きっと。』

「よく覚えてないな…でも、高野さんが名前の通りの人っていうのはすごくわかる。」

『本当?』

「うん。もう、ザ名前通りの人だよね。」

『まじすか。』

「まじです。」

『獅子谷くんは?』

「え?」

『獅子谷くんはなんで優って名前なの?どんな意味が込められてるのかな?』

「…わからないや。そういうの聞く前に母さん死んじゃったから。」

『そっか…でも、少なくとも優の漢字の通りに優しい人だよね。獅子谷くん。』

「高野さん、いつもそれしか言わないね。」

『うん、会うたびに思うもん。』

「そうですか。」

『そうですよ。』

「じゃあ俺、今日は帰るね。観察日記ありがとう。」

『こちらこそ、ノートありがとう。またね。』
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